「ハイハイしないままつかまり立ちした…」
「ずり這いばかりでハイハイしないけど大丈夫?」
赤ちゃんの発達の中でも、「ハイハイをしない」はとても気になるポイントですよね。
我が家の娘も、ハイハイにはあまり興味がなく、座って遊ぶことが大好きだったので「発達が遅いのかな?」と少し悩んだ時期がありました。
この記事では、作業療法士の視点からハイハイの役割としない理由、おうちでできる関わり方をわかりやすくまとめます。
ハイハイしないのはよくある?
結論から言うと、ハイハイをあまりせずに成長する子も結構います。
発達の進み方には個人差があり、
・ずり這いやおすわり中心
・すぐにつかまり立ちへ
といったパターンも珍しくありません。
ただし、ハイハイには大切な役割もあるため、少し視点を変えて見ていくことが大切です。
ハイハイの役割とは?
ハイハイは単なる移動手段ではありません。
- 体幹の安定
ハイハイの姿勢は前を見るために顔を上げる、体を床から引き上げるといった力が必要です。これは後に、姿勢をまっすぐに保つ力に繋がります。
- 手足を協調して使う力
手足を交互に出して進むハイハイは、「右手と左足」「左手と右足」といった、体の連動が促されます。これは後に、歩く、走る、跳ぶ、ボール遊びや自転車といった、色々な運動の基礎となります。
- 空間認知の発達
ハイハイができるようになると、見えている物に自分から近付いていって触ることができます。これを繰り返すことで、距離や方向、奥行きといった空間を認識する力が育ちます。
ハイハイは手の発達にもつながる
ハイハイには、移動だけでなく、手の発達を育てる大切な役割もあります。
肩まわりが安定して、手が使いやすくなる
ハイハイでは手で体を支えるため、手を使う時の土台となる肩や腕の力が育っていきます。
この土台がしっかりしてくることで、指先を細かく動かしやすくなり、将来の「つまむ」「持つ」といった動きにもつながっていきます。
手のひらの感覚が育つ
ハイハイでは床に直接手で触れることで、「ザラザラ」「ツルツル」「ふわふわ」といった感覚を手のひら全体で感じることになります。
また、床に手をついて体を支えることで、手のひらや手首にしっかりと刺激が入ります。
この感覚が積み重なることで、自分の手の「位置や動き」を感じやすくなり、使い方も上手になっていきます。
指や手の形が整いやすくなる
ハイハイの姿勢では、手首が少し反った状態で体重がかかります。この姿勢によって、指が自然と開きやすくなったり、手のひらのアーチが育ちやすくなります。
これらは、後々の「鉛筆を持つ」「ボタンを留める」など、細かい手の動きの土台になります。
ハイハイは手の発達の土台になる動き
ハイハイは歩くための準備だけでなく、手を上手に使うための準備にもなっています。
たくさんやらなければいけないわけではありませんが、遊びの中で少しでも経験できると、発達の土台づくりにつながっていきます。
ハイハイしない理由|作業療法士の視点
- 座る方がラクで安定している
座位が安定してくると、その場で遊ぶ方が楽しく、移動する必要がなくなります。
「動かない」ではなく「動く必要がない」状態と言えます。
- 体幹や腕の支持がまだ弱い
ハイハイは、手と膝で体を支える必要があります。この支持力が弱いと、うまく姿勢を保てず、ハイハイにつながりにくいことがあります。
- ずり這いで十分移動できている
ずり這いで目的が達成できると、あえてハイハイに移行しないこともあります。そして、ハイハイ以外の動きで自分なりに経験を増やしていることも多いです。
- 環境の影響
床が滑りやすかったり、スペースが狭かったりといった環境も、動きに影響することがあります。
ハイハイにつながる体の準備とは?
ハイハイも、いきなりできるようになるのではなく、いくつかの動きの積み重ねで獲得されます。
- うつ伏せで体を支える
腕で体を支える経験が増えることで、肩周りや腕の力が付いてくると、だんだん体を持ち上げられる範囲が広がり、四つ這い姿勢がとれるようになります。
- 体をひねる
寝返りなど体をひねる動きは、体の中心を軸にして左右交互に動くことの基礎になります。
- 倒れないように手を付く
ハイハイの準備として、四つ這いで前後に揺れるような動き(ロッキング)がみられることがあります。こうやって遊んでいるうちに、バランスが崩れそうになって手を一歩前に出すことが、ハイハイに繋がります。
うつ伏せや寝返りの発達については、以下にまとめています。
>>「赤ちゃんの寝返りが遅いのは大丈夫?目安と関わり方を作業療法士が解説」
>>「赤ちゃんがうつ伏せを嫌がるのはなぜ?作業療法士が原因と関わり方を解説」
おうちでできる関わり方
- 少し離れた場所におもちゃを置く
「取りに行きたい」と思える環境を作ることで、自然と移動が促されます。
子どもは動くものを追いかけたくなるので、音が鳴るボール等をコロコロ転がして誘導してみると、動きたくなる子もいます。
- トンネル遊び
椅子やテーブルの下をくぐる遊びは、ハイハイの動きに近くなります。
また、市販のトンネルおもちゃも、遊びながらハイハイを促せる楽しいおもちゃです。
トンネル遊びは、自分の体の幅や高さを把握する能力にも繋がるため、歩けるようになった後もおすすめです。
- お布団の山登り
ずり這いしかしない場合は、少し坂を登る環境を用意したり、お布団で山を作って登るような遊びで、ハイハイに近い姿勢を取れることもあります。
- 床で過ごす時間を増やす
抱っこや座る時間が多いと、動く機会が減ってしまいます。
マット等で滑りにくい床の環境を整え、安全な範囲で床遊びを増やすと、動きたい気持ちが高まることもあります。
こんな場合は相談も検討
基本的には個人差の範囲ですが、
- まったく移動しようとしない
- 体の使い方に強い左右差がある
- 極端に姿勢が不安定
といった場合は、専門機関に相談すると安心です。
まとめ
ハイハイをしないと不安になりますが、発達の進み方は個人差がとても大きいです。
ただし、ハイハイには体の発達にとって大切な役割がたくさんあります。
無理にさせる必要はありませんが、動きたくなる環境を整えることが大切です。
また、ハイハイしなかった場合でも、歩けるようになってから遊びの中でハイハイを取り入れてあげることで、体幹や手の発達に繋がりやすくなります。
その子のペースを大事にしながら、遊びの中で少しずつ経験を増やしていきましょう。
ハイハイしなかった娘の話はこちら↓↓
>>「ハイハイしなかった娘のその後|手づかみ食べや感覚遊びに悩んだ話」

