「手づかみ食べを全然しない…」
「やらせた方がいいって聞くけど、嫌がる」
離乳食が進んでくると、手づかみ食べについて悩むこと、ありますよね。
我が家の娘も、ほとんど手づかみ食べをせず、「大丈夫かな?」と心配した時期がありました。
この記事では、作業療法士の視点から、手づかみ食べの意味と、しない場合の理由、そして、やさしい関わり方をお伝えします。
- 手づかみ食べは絶対に必要?
結論から言うと、必ずしも「やらなければいけないもの」ではありません。
手づかみ食べは、発達にとってとても意味のある経験ではありますが、やらなかったからといって必ず問題になるわけではありません。
その子なりのペースで、違う形で経験していくこともあります。
手づかみ食べの意味
手づかみ食べには、こんな意味があります。
手と口の協調
手でつかんで、口まで運ぶ動きは、手と口を連動させて使う練習になります。
手づかみ食べが進むと出てくるのがかじり取り。
かじり取りには、手で持った食べ物をどこまで口に入れるか判断し、前歯で噛み切り、残りを手で支えるといった、手と口の協調動作が必要になります。
つまり、手づかみ食べを通らずに、かじり取りは育ちにくいと言えます。
感覚の経験
食べ物の感触(やわらかい・硬い・ベタベタ・サクサクなど)を手で感じることで、感覚の発達につながります。
そして、それがお口の感覚と繋がることで、噛み方、飲み込み方など食べ方の調整ができるようになります。
一口量の理解を育てる
一口量がわからないと、
- 丸飲み
- 口に詰め込みすぎる
- 噛まずに飲み込む
といった、よくある悩みの原因となります。
スプーンで食べさせてもらうと、口に入ってくる量は受け身です。
一方、手づかみ食べでは自分で量を調整し、多すぎたら次は減らすといった試行錯誤の中で学習しています。この経験が「ちょうどいい一口」に繋がります。
手づかみ食べをしない理由
手づかみ食べをしない背景には、いくつかの理由があります。
①手が汚れるのが苦手
ベタベタ・ぐにゃっとした感触が苦手な場合、手を出さないことがあります。
②道具の方が得意
スプーンで食べる方がやりやすいと、手づかみを選ばないこともあります。
③無理にやらされて嫌になった
「やってほしい」という気持ちが強すぎると、逆にやりたくなくなることもあります。
④食への興味がまだ弱い
食べ物より遊びを優先させたかったり、空腹感がまだ弱い場合、自分で食べたいという気持ちになりにくく、食べさせてもらう中心になりがちです。
⑤手の使い方がまだ不慣れ
つかむ・持つといった動きが未熟だと、うまくできず避けることもあります。
手の発達の土台作りにはハイハイがおすすめです↓↓
>>「赤ちゃんがハイハイしないのは大丈夫?理由と関わり方を作業療法士が解説」
おうちでできる関わり方
- 汚れにくい食材から始める
最初は、ベタベタしにくいものから始めるのがおすすめです。
例:パン、蒸した野菜など
- 少し触れるだけでもOK
つかめなくても大丈夫。ちょんちょんと「触るだけ」でも十分な経験になります。
- 大人が楽しそうにやってみる
よく言われることですが、親の真似をしたい子には特におすすめです。一緒にやることで、興味が出ることもあります。
- 無理にすすめない
やらない日があっても大丈夫。
むしろ、無理にやらせることで食事が「嫌な時間」になってしまう方が心配です。
「そのうちできる」くらいのおおらかな気持ちで見守りましょう。
スプーンなどの道具を好む子もいます
手づかみ食べよりも、スプーンなどの道具を好む子もいます。
これは、発達的に問題というよりも、その子の特性や興味の違いによることが多いです。
- 大人のまねをするのが好き
- 手が汚れるのが少し苦手
- きれいに食べたい気持ちが強い
こうした場合、手づかみよりも道具を使う方が、その子にとってやりやすい方法になっていることもあります。
一般的には「手づかみ → 道具」という流れで発達していきますが、必ずしも順番通りである必要はありません。
その子なりのやり方で、食べる経験を積んでいると考えて大丈夫です。
作業療法士として伝えたいこと
大切なのは、手づかみ食べそのものではなく、経験です。
スプーンを使えるようになってから、パンなど必要なものだけ手づかみで食べるといった形でも全然大丈夫。
手を使う経験や、感覚に触れる経験は、遊びの中でも十分に育てることができます。
まとめ
手づかみ食べをしないと不安になりますが、必ずしも必要なステップではありません。
その子のペースや特性に合わせて、無理なく関わっていくことが大切です。
焦らず、楽しく食事の時間を過ごせることを一番に考えていきましょう。
ハイハイや手づかみ食べをしなかった娘の話はこちら↓↓
>>「ハイハイしなかった娘のその後|手づかみ食べや感覚遊びに悩んだ話」

