1歳半健診で引っかかるのはどんなとき?見る内容とその後の流れを解説

子どもの発達|OT視点

お子さんの健診で初めて発達について指摘を受けると、頭が真っ白になってしまうママやパパも多いのではないでしょうか。

でも、1歳半健診で引っかかったからといって、すぐに心配しすぎる必要はありません。多くの場合、「もう少し様子を見ていきましょう」「発達相談につなげましょう」という意味での経過観察であることがほとんどです。

この記事でわかること
  • 1歳半健診では何を見ているのか
  • どんなときに引っかかるのか
  • 引っかかった後はどうなるのか
  • おうちでできる関わり方

1歳半健診とは?

1歳半健診(1歳6か月児健康診査)は、子どもの成長や発達を確認するために全国の自治体で実施されている健診です。身長・体重といった体の発育だけでなく、言葉の発達、人とのやりとり、運動発達、遊びの様子なども総合的に確認します。

1歳半頃はとくに個人差が大きい時期です。同じ月齢でも、すでにたくさんの言葉を話す子もいれば、まだほとんど言葉が出ていない子もいます。

健診の目的は、「できる・できない」をジャッジすることではありません。「順調に育っているかな?」「少しサポートがあると安心かな?」を、専門家と一緒に確認していく大切な機会です。不安な気持ちを抱えているなら、健診はその不安を相談できる場でもあります。

1歳半健診では何を見るの?

自治体によって、実際に検査をするか、聞き取りが主か等の違いはありますが、主に次のような項目を確認します。

歩行の様子

  • 安定して歩けているか
  • 転び方はどんな感じか
  • 体の使い方に大きな偏りがないか

1歳半頃になると、多くの子どもが一人で歩けるようになります。

まだ歩き始めたばかりでよちよちしている場合でも、歩行が始まっているかどうかは重要なポイントになります。

言葉の発達

「ママ」「ワンワン」「バナナ」など、意味のある言葉(有意語)があるかどうかを確認します。ただし、言葉の「数」だけが評価されるわけではありません。

大切なのは、言葉を「理解しているか」という点です。たとえば言葉はまだ少なくても、「ごはんだよ」と声をかけると食卓に向かったり、「持ってきて」と言うと物を持ってきたりする様子があれば、言葉の理解は育っています。言う言葉と理解する言葉、両方の面から発達を見ていきます。

指差し

1歳半健診で特に重要視される項目のひとつが「指差し」です。絵本や絵カードを見せながら「ワンワンはどれ?」と聞いたとき、指でさして答えられるかどうかを確認することもあります。

  • 言葉の理解
  • 人とのやりとり
  • 注意を向ける力
  • 「これを見て!」という意図の共有

指差しには多くの発達の要素が含まれています。そのため、指差しの有無は発達を確認するうえでとても重要な指標とされています。

まねっこ(模倣)

バイバイやパチパチ、大人の動作を真似する「模倣」の様子も確認します。まねっこは、言葉やコミュニケーションの大切な土台です。

人の動きをよく見て、自分の体で再現するという行為には、視覚的な注意力、体の使い方の理解、人への関心といった力が必要です。日常的に大人の動きを真似しているかどうかが、発達のひとつのサインになります。

積み木遊び

積み木をいくつか積めるかどうかを見ることもあります。これは「手先が器用か」を見るテストではありません。積み木を積むために必要な、手・目・認知の発達が育っているかを確認する課題です。手先の発達はもちろん、見て真似する力、指示理解、遊びの発達などを評価しています。

積み木を「積む」という動作は単純に見えて、指先の細かいコントロールや物理的なルールの理解など、さまざまな発達の要素が詰まっています。

1歳半健診で引っかかるのはなぜ?

「引っかかった」という言葉は、どうしてもネガティブに聞こえてしまいます。でも、引っかかる理由はさまざまで、必ずしも「発達に問題がある」ということを意味するわけではありません。

発達のペースに個人差があるため

子どもの発達は、一直線に進むわけではありません。ゆっくりじっくり育つ子もいれば、ある時期を境に急激に伸びる子もいます。1歳半の時点で言葉が少なくても、その後2〜3歳にかけて急に言葉が増えるというケースはよくあります。

そのため健診では、「今の時点で心配なので確認しましょう」という意味で経過観察になることがあります。これは「問題がある」ではなく、「一緒に成長を見守りましょう」というサインです。

当日の環境に慣れなかったため

健診会場は、見知らぬ人がたくさんいて、初めての場所で、独特の緊張感があります。大人でも少し構えてしまうような環境です。

我が家の娘も緊張して、おもちゃで遊ぶ様子を観察される場面では、私から離れられずくっついたままでした。それでも、私とのやりとりや運動発達から判断されたのか、健診は無事にパスしました。

しかし、人見知りや場所見知りが激しい子の場合は、普段とはまったく違う様子になることもよくあります。「いつもはバイバイするのに今日はしなかった」「家では指差しするのに健診ではしなかった」というのは、珍しいことではありません。

もう少し詳しく様子を見たいため

発達に大きな問題があるというより、「少し気になる点があるので、もう少し確認していきましょう」という場合も多くあります。専門家が丁寧に見ようとしているからこそ、経過観察になることもあるのです。

1歳半健診で引っかかりやすい項目

指差しをしない

健診での相談が多い項目のひとつです。ただし、指差しが出始める時期には個人差があります。また、指差しの代わりに「大人の手を引いて連れていく」など、別のコミュニケーション手段を使っている子もいます。

指差しがないことで心配になるのは自然ですが、他のやりとりや理解の様子と合わせて総合的に見ていくことが大切です。

▶︎指差しはなぜ大切?言葉やコミュニケーションの発達との関係

言葉が少ない

1歳半頃は、言葉の発達に最も個人差が出やすい時期のひとつです。有意語がまだ1〜2語しかない子もいれば、すでに二語文を話している子もいます。

言葉の数が少ない場合、健診では「言葉の理解があるか」「やりとりがあるか」という点を特に確認します。理解が育っていれば、もう少しすると言葉が出ることが多く、それほど心配しなくてよいケースも多いです。

▶︎言葉が遅い?様子見で良い子と相談したい子の違い

まねっこが少ない

模倣は言葉やコミュニケーションの土台となるため、健診でも確認されます。「バイバイしない」「パチパチしない」という相談もよくあります。

まねっこをしないからといってすぐに問題とはなりませんが、人への関心や人の動きへの注目という観点から、発達を見るひとつの指標になります。

▶︎まねっこ遊びはなぜ大切?言葉やコミュニケーションが育つ理由

歩行や運動発達

まだ歩いていない、または極端に転びやすいといった場合は、発達状況を詳しく確認することがあります。1歳半の時点で歩行が始まっていない場合は、小児科での診察や療育につながることもあります。

▶︎歩くのが遅い理由と関わり方についてはこちら

1歳半健診で引っかかったらどうなる?

健診で「もう少し確認が必要です」と言われた後の流れについて、代表的なパターンをご紹介します。

経過観察

最も多いのが経過観察です。数か月後に再度確認し、成長の様子を見ていきます。「次の2歳健診で様子を見ましょう」「3か月後にもう一度来てください」といった形で案内されることが多いです。

経過観察になったからといって、何かが確定したわけではありません。成長のスピードを一緒に見守っていくための措置です。

発達相談

必要に応じて、保健師・心理士・言語聴覚士・作業療法士などの専門家につながる場合があります。「発達相談」や「育児相談」という形で案内されることが多く、より詳しく子どもの様子を確認したり、関わり方についてアドバイスをもらったりすることができます。

相談に行くこと自体は、「問題があると認定された」ことではありません。むしろ、専門家と早めにつながることで、適切なサポートを受けやすくなります。

専門機関の紹介

気になる点がある程度大きい場合には、医療機関や発達支援機関を紹介されることもあります。ただし、この段階でも診断が決まるわけではありません。より詳しく評価するための次のステップとして案内されます。

どの段階においても、親御さんが一人で抱え込む必要はありません。専門家と一緒に考えていくプロセスだと捉えてもらえると、少し気持ちが楽になるかもしれません。

おうちでできる関わり方

健診の結果がどうであれ、日常の関わりの中で発達を育てることができます。特別な教材や訓練は必要ありません。毎日の遊びや生活の中でできることを、いくつかご紹介します。

やりとり遊びを増やす

発達を伸ばすうえで何より大切なのは、人とのやりとりを楽しむことです。

  • いないいないばぁをする
  • ボールを転がし合う
  • 「どっちだ?」遊びをする

シンプルなやりとり遊びがとても効果的です。「楽しいね」「またやろう」という気持ちが、コミュニケーションの土台を作っていきます。

まねっこ遊びをする

  • バイバイ・いただきます
  • 動物の鳴き声やしぐさの真似

まねっこを楽しむ遊びを日常に取り入れてみてください。大人がまず楽しそうにやってみせることが大切です。

子どもは「この人と一緒にやりたい」と思ったとき、まねっこをしやすくなります。強制せず、遊びの中で自然に誘ってみましょう。

絵本を楽しむ

絵本を見ながら「ワンワンいたね」「ブーブーだね」と共有する時間は、言葉やコミュニケーションの土台になります。

読み聞かせで大切なのは、上手に読むことではなく、一緒に楽しむことです。子どもが指差したものに「そうだね、ワンワンだね」と応えるだけで、やりとりが生まれます。絵本は短くていい、全部読まなくていい。子どもが楽しめる時間を大切にしてください。

たくさん体を使って遊ぶ

体を動かす経験は、注意力、ボディイメージ、コミュニケーションなど、さまざまな発達につながります。日常的な外遊びが、実はとても豊かな発達の場になっています。

  • ブランコ
  • すべり台
  • 砂場で遊ぶ

また、お家の中でも親子で身体を使った遊びを楽しめます。

  • ひこうき遊び
  • 回転椅子に乗ってぐるぐる
  • おんぶでたくさん動く
  • パパやママの背中に乗ってお馬さん

「特別なことをしなければ」と思わなくて大丈夫です。親子で体を動かして笑える時間が、発達の栄養になります。

まとめ

1歳半健診で引っかかったからといって、すぐに問題があるということではありません。健診は「できる・できない」を判定する場ではなく、お子さんの発達を専門家と一緒に見守るための場です。

引っかかる理由はさまざまで、発達のペースの個人差、当日の環境による緊張、もう少し丁寧に確認したいという専門家の判断など、いろいろな背景があります。

もし気になることがあっても、一人で抱え込まないでください。健診での相談、保健師への電話、発達相談など、頼れる場所は必ずあります。

お子さんの発達には個人差があります。今できていることにも目を向けながら、毎日の親子のやりとりや遊びを存分に楽しんでいただけたらと思います。

応援よろしくお願いします
にほんブログ村 子育てブログへ

この記事を書いた人
作業療法士ママ 雀

作業療法士として発達支援に携わりながら、2歳娘の子育てに奮闘中。

このブログ「はぐリズム」では、子どもの発達や遊びについて、専門知識と子育て経験の両方の視点から発信しています。

雀をフォローする
子どもの発達|OT視点
シェアする
雀をフォローする
タイトルとURLをコピーしました