「同じ月齢の子はもう話してるのに、うちの子はまだで…」
そんな不安を抱えながら検索してここに来てくれた方へ。まず一言伝えさせてください。
言葉が遅くても、すぐに”問題あり”とは限りません。
でも「大丈夫だよ」と言いきるだけで終わりにしたくないのも正直なところ。作業療法士として、そしてひとりのママとして、本当に大切なことをお話しします。
まず見るべきポイント
言葉の数より先に見てほしいのが、次の3つです。
①言葉を理解しているか
「ちょうだい」「おいで」と言ったとき、ちゃんと動けますか? 話す前に「わかる」が育つのが自然な順番です。
②指差しやジェスチャーがあるか
「あ!」と指を向けたり、バイバイをしたり。言葉より先に、こうしたコミュニケーションが育ちます。
③ 大人と関わろうとしているか
目が合う、一緒に何かを見て共有しようとする。そんなやりとりがあるなら、言葉の土台はしっかり育っています。
この3つがそろっていれば、言葉はこれから伸びていく可能性が十分あります。焦らなくて大丈夫です。
発達の「目安」はあくまで目安
1歳ごろに「ママ」「ワンワン」などの単語が出始め、1歳半で簡単な指示がわかるようになり、2歳ごろに「ママきた」のような二語文が出てくる——これが一般的な流れです。
ただ、大切なのは「いつ」より「順番」と「積み重ね」。
言葉は、「理解→コミュニケーション→発語」という順で育ちます。まだ話さなくても、ちゃんとインプットしている子はたくさんいます。
「3000万語の格差」って、怖い話じゃなかった
聞いたことがある方も多いかもしれません。幼少期に聞く言葉の量に格差があり、それが語彙や学力に影響するという研究です。
でもここで誤解してほしくないのは、大切なのは語数ではなく「関わりの質」だということ。
毎日たくさん話しかけなきゃ、と焦る必要はありません。子どもの気持ちに寄り添って、一緒に何かを楽しむ。その積み重ねが、言葉を育てます。
逆に、言葉の発達にあまり効果的でないのは「これは何?」とテストするような声かけや、指示ばかりの一方的なやりとり。親子でラリーできているかどうかが、実はとても重要です。
OT視点で見る「言葉が遅い」本当の理由
言葉の遅れには、いくつかの背景があります。
- 理解がまだ育っている途中:話さないけど実はよくわかっている、という子はとても多いです。インプットが先に来るのは自然なことです。
- 体や感覚の経験不足:言葉は「経験にラベルをはる」作業です。触る、動く、遊ぶ——こうした経験が語彙の土台になります。外遊びや生活体験が言葉に直結するのはこのためです。
- 先回りしすぎる環境:「言わなくても伝わる」環境では、話す必要がなくなってしまうことも。少し待つことが、発信のきっかけになります。
- 気質の違い:慎重でよく観察するタイプの子は、十分に理解してから話し始めます。2歳を過ぎてから一気に言葉が増えるケースも多いです。
今日からできる関わり方
特別なことは何もいりません。日常の中でちょっと意識するだけです。
①実況中継をする
「ボールぽーん!赤いね」「わんわんがお散歩してるね」。テストじゃなくて、一緒に見て共有することが大切です。
②少し待ってみる
何かを求めているとき、すぐに答えずに間を置く。子どもが発信しようとするきっかけになります。
③まねっこ遊びを楽しむ
バイバイ、パチパチ、声のまね。模倣は言葉の大きな土台です。
こんなサインがあれば、相談を
様子を見ながらも、以下が気になる場合は専門家に相談することをおすすめします。
- 1歳半で指差しがなく、名前を呼んでも反応が薄い
- 2歳で意味のある単語がほとんど出ない
- 年齢に関わらず、視線が合いにくい・まねっこが少ない
早めに相談することは、決して「大げさ」ではありません。むしろ、安心するために動くのは正解です。
OTママの実体験として
うちの子も、早くから話すタイプではありませんでした。でも、指差しがあって、目が合って、やりとりができていた。だから「土台は育っている」と感じていました。
結果的に、2歳を過ぎてから言葉がぐっと増えました。
「たくさん話しかけなきゃ」と頑張りすぎなくていい。一緒に見て、一緒に感じて、一緒に笑う。その積み重ねが、ちゃんと言葉につながっていきます。
あなたの関わりは、きっと子どもに届いています。

