離乳食が進まないと、不安や焦りを感じることがありますよね。実は私自身も、娘の離乳食にはかなり悩みました。
定説通り、娘が5か月になってすぐに離乳食を始めましたが、しばらくは10倍粥しか食べられませんでした。なめらかなペーストにしたにんじんも口から出してしまい、ほうれん草のように少し粒が残るものは特に苦手でした。
娘がやっとお粥以外のものを食べられるようになった頃、周りの子は赤ちゃんせんべいを持ってかじったり、お米のお菓子を食べたりしていました。そんな姿を見るたびに、「うちは全然進まないな」と悩んでいたのを覚えています。
保育園入園も決まっていたので、「このままドロドロの形態で大丈夫かな」と不安になることもありました。
でも、振り返ってみると、娘は娘なりのペースで食べる力を育てていたのだと思います。離乳食が進まない理由は子どもによってさまざまです。
この記事では、作業療法士の視点から、離乳食が進まない原因と関わり方について解説します。
離乳食が進まないと感じるのはどんなとき?
離乳食が進まないと感じる場面はさまざまです。
こうした様子を見ると、「何か問題があるのかな」と心配になることもあるでしょう。
しかし、離乳食が進まない背景にはさまざまな理由があります。まずは原因を知ることが大切です。
離乳食が進まない4つの理由
まだ食べる準備が整っていない
離乳食は単に口が動けばよいわけではありません。
離乳食開始頃は、「吸う」動きから「食べる」動きへ移行している途中の時期です。
そのため、始めたからといってすぐに上手に食べられるわけではありません。
私の娘も離乳食開始頃は寝返り前で、うつ伏せで両手に体重を乗せて支える姿勢も十分ではありませんでした。もちろん、これだけが離乳食の進みに影響したとは言えませんが、寝返りやおすわりなど全身の発達が進んだ頃から、少しずつ食べられるものが増えていきました。
子どもによって発達のペースは異なります。月齢だけでなく、その子自身の成長の様子を見ることも大切です。
食べる力は口だけで育つわけではありません。体を支える力や姿勢の発達も関係しています。
食感や形態に慣れていない
離乳食が進まない原因として多いのが、食感への苦手さです。
最初はなめらかなペースト状の食べ物を飲み込めても、少し粒が混ざるだけで嫌がることがあります。これは、口の中の感覚や、食べ物を処理する力がまだ発達途中だからです。
娘もまさにこのタイプでした。ドロドロのものは食べられても、赤ちゃんせんべいやお米のお菓子のような食感はなかなか受け入れられませんでした。
離乳食の進み方は、量だけでなく「食べられる形態」にも個人差があります。
口の使い方が発達途中
離乳食では、唇で食べ物を取り込み、舌で食べ物をまとめて口の奥に運び、飲み込むいった動きが必要になります。
しかし最初から上手にできる子はほとんどいません。
これは口の使い方を学んでいる途中の姿でもあります。嫌いだから出しているとは限らず、まだうまく扱えないという場合も少なくありません。
▶︎赤ちゃんは物を口に入れることで、口の中の感覚や使い方を学んでいます
食事がストレスになっている
離乳食が進まないと、「もう一口だけ」「頑張って食べてみよう」とつい声をかけたくなります。もちろん、それ自体が悪いわけではありません。
ですが、食べることが毎回プレッシャーになると、子ども自身が食事を苦手な時間と感じてしまうことがあります。また、食べないことへの不安から、ママやパパも疲れてしまいます。
食事は練習の場であると同時に、楽しい時間でもあります。量や進み具合だけに目を向けすぎないことも大切です。
今日からできる関わり方
離乳食が進まないときは、食べさせることよりも「経験を積むこと」を意識してみましょう。
焦りすぎない
日本では5ヶ月で始めるのが主流のように言われていますが、焦る必要はありません。特に、我が家の娘のように寝返りが遅い子などは、体の準備がまだ整っていない可能性も。娘は特に大きなトラブルはありませんでしたが、焦って始める必要はなかったなと思っています。
無理に形態を進めない
一段階上の形態を嫌がる場合は、少し前の段階に戻して様子を見ましょう。我が家の娘もしばらくは10倍粥のみでした。また、私の都合で離乳食をお休みにする日もありました。まずは「スプーンに慣れる時間」と考えて、気長に進めて大丈夫です。
焦って進めるより、少しでも食べられたら一緒に喜んで、「食べるって楽しい」という体験になることが大切です。
家族や友人と一緒に食べる
楽しい雰囲気の中で食べることは大切です。ママと2人きりだとあまり食べないのに、休日パパも一緒だとよく食べるといったこともあります。
また、大人が食べる様子を見ることも学びになります。おすわりが安定してきたら、食事の場に一緒に参加して食べさせてあげましょう。食べるって楽しそう」と感じる経験は、食べる意欲につながります。
見る・触る経験も大切
食べなくても、見る、触る、においをかぐといった経験は、食べる準備につながります。
ぐちゃぐちゃにしているところを見ると、食べ物で遊んでいるように見えてやめさせたくなりますが、感触を確かめたりにおいを感じたりする学びの時間です。
相談を検討するサイン
離乳食がゆっくり進むこと自体は珍しくありません。ただし、注意したいサインもあります。
このような場合は、小児科や専門職への相談も検討しましょう。
まとめ
離乳食が進まない原因は一つではありません。
- まだ食べる準備が整っていない
- 食感や形態に慣れていない
- 口の使い方が発達途中
- 食事がストレスになっている
こういった、さまざまな要因が関係しています。
私自身も、娘の離乳食がなかなか進まず不安になった時期がありました。特に、保育園の入園が迫ってきた頃は、食べられる物が限られていた娘の様子に焦ることもありました。
ですが、子どもにはそれぞれのペースがあります。周りと比べるのではなく、「今どんな力を育てている途中なのか」という視点で見守ってあげることが大切です。
離乳食は食べる練習の時間です。焦らず、一歩ずつ経験を積み重ねていきましょう。

