スプーンを渡しても、すぐに「食べさせて」と渡される。手づかみ食べばかりで、スプーンが進まない。
こんな時、周りの子達が自分でご飯を食べる姿を目にすると、少し焦ることもありますよね。
でも実は、スプーンを持ちたがらない理由はひとつではありません。
この記事では、作業療法士の視点から、2歳頃の子がスプーンを持ちたがらない理由と、今日からできる関わり方をわかりやすくお伝えします。
2歳でスプーンを持ちたがらないのは大丈夫?
結論から言うと、2歳でスプーンを嫌がること自体は珍しくありません。
スプーン操作には、手先のコントロールをはじめとする様々な能力が必要です。大人が思う以上に、発達途中の子どもにとってスプーン操作は難しいのです。
そのため、面倒に感じることや、うまくできず嫌になることもよくあります。
まず確認しておきたいこと
まずはじめに、お子さんがスプーンを持たない原因として確認しておきたいことがあります。
お子さんがどちらのタイプかで、関わり方は少し変わります。
食べること自体への興味が薄いタイプ
この場合は、まず「楽しく食べる」が大切になることもあります。
食べる意欲はあるタイプ
このような場合は、スプーン操作の難しさが関係していることも多いと考えられます。
スプーンを持ちたがらない4つの理由
難しくて疲れる
食べ物をすくって、こぼさずに口まで運んで食べるという過程の中には、たくさんの要素が詰まっています。
こうして見ると、スプーン操作って実はかなり高度な動きなんですね。子どもにとっては「頑張らないとできない作業」であるといえます。
大人でも、難しいことはやりたくなくなることがありますよね。
失敗したくない
そんな経験が続くと、「もうやりたくない」と感じることがあります。
特に2歳頃は、できない悔しさも強くなってくる時期。「やりたいのにうまくいかない」が、拒否につながることもあります。
手づかみの方が食べやすい
手づかみ食べはとても大切な発達段階です。
手づかみだと、食べ物を落としにくく、口まで運びやすいため、子どもにとっては自然な方法でもあります。
「甘え」ではなく、今の発達に合った食べ方ということも多いです。

「自分でやりたい」との葛藤
2歳頃は、「自分で!」の気持ちが強くなる時期。でも一方で、まだ思うようにはできません。
- やりたいけど難しい
- イライラする
- 嫌になる
このように葛藤する中で、「持ちたくない!」となることもあります。
やってしまいがちなNG対応
ついやってしまいがちですが、逆効果になりやすい関わりもあります。
こうした経験が増えると、食事そのものがストレスになってしまうこともあります。
今日からできる関わり方
ポイントは、「練習させる」より、成功しやすい環境を作ることです。
フォークからはじめてみる
スプーンは、フォークに比べるとすくう時や口に運ぶ過程で手の細かい微調整が必要になります。
カトラリーへの抵抗を減らすには、ある程度の固形物が食べられるようであれば、一口大に切った食材をフォークに刺して出してあげることからはじめてみても良いですね。
手づかみもOKにする
手づかみは、食べる意欲や自分で食べる力の土台になります。
「スプーンを使わせなきゃ」と焦りすぎず、自分で食べようとしていることや、食事に参加していることをまず大切にしましょう。
成功しやすい環境を作る
- とろみのある食材
- 深めのお皿
- 椅子とテーブルの高さ調節
こういった細かい環境を整えることで、成功しやすくなります。
「できた!」が増えると、自然とやる気にもつながっていきます。
大人が楽しそうに見せる
2歳頃は、まねっこが大好き。
大人が楽しそうに食べている様子を見ることで、「やってみたい!」につながることもあります。
「できた」を急がない
スプーンは、急に上達するものではありません。遊びや生活の中で、少しずつ育っていくものです。
まずはスプーンを持ったこと、一口食べれたことなど、小さな成功を一緒に喜んであげてください。

遊びが土台になる
スプーン操作は、食事の時だけ育つわけではありません。
スプーン操作に必要とされる要素を備える遊びとしては、次のような物が挙げられます。
遊びの中で、手首を動かしたり、力加減を学んだり、両手を協調させて使ったりする経験を積み重ねることで、少しずつ土台が育っていきます。
こんな時は少し注意
基本的には発達の途中であることが多いですが、以下のような場合は一度相談してみてもよいかもしれません。
「少し気になるな」という感覚は大切にしてください。
まとめ
- スプーンを持ちたがらない理由はさまざま
「食べることへの興味が薄い」のか「スプーンが難しい」のかを分けて考えるとヒントになる- 手づかみは大切な発達段階
- 無理な練習より、成功体験や遊びが土台になる
スプーンは、「頑張って練習するもの」というより、発達の積み重ねの中で少しずつ育っていくものです。焦らず、その子のペースを大切にしていきましょう。

