「おすわりっていつからできるの?」
「7ヶ月なのにまだ座れないけど大丈夫?」
「離乳食を始めたけど、姿勢が安定しなくて食べさせにくい」
赤ちゃんのおすわりは、成長を感じられる大きな節目のひとつです。
一方で、周りの赤ちゃんと比べてしまったり、健診で「まだ座れないんですね」と言われたりすると、不安になることもありますよね。
この記事では、作業療法士としての視点と、実際に子育てをしているママとしての経験から、以下の点をわかりやすくお伝えします。
- おすわりはいつから?
- 腰すわりとはどんな状態か
- おすわりができるために必要な発達
- おすわりが遅いときの考え方
- 家庭でできる関わり方
おすわりはいつから?目安を解説
おすわりができるようになる時期の目安は、一般的に生後6〜8ヶ月頃と言われています。ただし、これはあくまで目安です。
赤ちゃんの発達には個人差があり、寝返りをたくさんする子、うつ伏せ遊びが好きな子、ゆっくり慎重に動く子など、それぞれ違ったペースで成長していきます。
「7ヶ月だから座れないといけない」「8ヶ月なのにまだぐらぐらしている」と、月齢だけで判断する必要はありません。大切なのは、発達の流れの中で少しずつ体の使い方を覚えているかどうかです。
腰すわりとは?できているサイン
「腰すわり」とは、支えがなくても安定して座れる状態のことです。次のような様子が見られれば、腰すわりが近い、またはできていると考えられます。
座らせると数分間安定して座れる手で支えなくても姿勢を保てる両手を自由に使って遊べる倒れそうになっても手をついて支えられる
反対に、前に手をついていたり、すぐ横や後ろに倒れたりする状態は、おすわりを練習中の段階です。実は、この「ぐらぐらする時期」も大切な発達の過程です。
おすわりができるために必要な発達
おすわりは突然できるようになるわけではありません。それまでの運動発達の積み重ねによって、少しずつ獲得されていきます。特に大切なのは、首すわり・うつ伏せ遊び・寝返り・体幹の安定です。
うつ伏せや寝返りを繰り返す中で、首・背中・お腹・肩周りの筋肉が育ち、姿勢を保つ力が身についていきます。つまり、おすわりを育てるために大切なのは「座る練習」ではなく、その前の運動経験なのです。


発達の順番は気にしすぎなくてOK?
発達の本には「寝返り→おすわり→ずりばい→ハイハイ」という流れが書かれていることが多いです。それを見て、「順番通りじゃないといけないの?」と不安になる方も多いですが、実際にはおすわりが先に好きになる子や、いざり移動をする子など、発達の進み方にはさまざまなパターンがあります。
私の子どもも、寝返りとおすわりが同じくらいの時期にできるようになり、座る姿勢の方が好きな様子でした。
このように、発達の順番はあくまで目安であり、必ずしも教科書通りに進むわけではありません。
大切なのは「順番」そのものではなく、体を動かす経験が十分にできているかです。「順番が違うから問題」ではなく、「さまざまな姿勢を経験できているかな?」という視点で見てあげるとよいでしょう。

おすわりが遅いときによくある理由
おすわりがまだ安定しない場合、体幹の力が発達途中だったり、うつ伏せの経験が少なかったり、床で遊ぶ時間が少なかったりすることが関係していることがあります。
特に最近は、バウンサーやベビーチェア、抱っこ紐で過ごす時間が長くなりやすく、自由に動ける時間が少なくなることもあります。もちろんこれらの育児用品が悪いわけではありません。ただ、おすわりに必要な力は「動く経験」の中で育っていくため、床で自由に遊ぶ時間も大切にしたいところです。
おすわりの練習は必要?
「毎日座らせて練習した方がいいですか?」という質問を受けることがあります。
私の考えとしては、無理に座らせる練習はあまりおすすめしません。なぜなら、おすわりは練習して覚えるというよりも、体の準備が整うことで自然にできるようになる動きだからです。
むしろ、うつ伏せで遊んだり、寝返りをしたり、手を伸ばしておもちゃを取ったりといった経験の方が、おすわりにつながりやすいことが多いです。
前に倒れるのはダメ?
おすわりを始めたばかりの頃は、前に倒れることがよくあります。しかし、これは悪いことではありません。
前に倒れる→手をつく→体勢を立て直そうとする、この経験を繰り返しながら、赤ちゃんは少しずつバランスの取り方を覚えていきます。つい倒れないように支えたくなりますが、安全を確保しながら見守ることも大切です。
家庭でできる関わり方
おすわりと離乳食の関係
離乳食が始まると「おすわりが安定していないけど食べて大丈夫?」と心配になることがあります。
離乳食では、姿勢の安定がとても大切です。体がぐらぐらしていると、赤ちゃんは姿勢を保つことに力を使ってしまうからです。
座り姿勢が安定することで、食べ物を目で認識しやすくなったり、口を動かしやすくなったりします。足がしっかりつく・背中が支えられる・骨盤が安定する、そのような姿勢を整えてあげると、食べやすくなることがあります。
ただし、おすわりが完成していないからといって、離乳食を始められないわけではありません。
おすわり前の時期は、大人の膝上で抱っこしたり、ハイローチェアで体が安定するように固定したりしながら進めていきましょう。食事の場面では環境を整えながら、少しずつ経験を積んでいくことが大切です。
バンボやベビーチェアは使ってもいい?
短時間の使用であれば、大きな問題になることはありません。ただし、長時間座って過ごす時間が増えると、うつ伏せや寝返り、床での移動などの経験が減ってしまうことがあります。
おすわりを育てるために大切なのは、座ることそのものよりも、自由に体を動かすことです。育児用品は便利に使いながらも、床でたくさん遊ぶ時間を意識して作れるとよいでしょう。
こんな時は相談を
多くの場合は個人差の範囲ですが、以下のような場合は専門機関への相談も検討してみてください。
- 9〜10ヶ月になっても全く座れない
- 体が強く反ることが多い
- 左右差が大きい
気になることがあれば、早めに相談することで安心につながります。
まとめ|おすわりは発達の途中にある通過点
おすわりは生後6〜8ヶ月頃が目安とされていますが、発達には大きな個人差があります。大切なのは、月齢だけで判断しないこと、うつ伏せや寝返りなどの経験を大切にすること、無理に座らせる練習をしないこと、そして床で自由に遊ぶ時間を確保することです。
おすわりはゴールではなく、その後のずりばいやハイハイにつながる大切な通過点です。焦らず、お子さんのペースを見守りながら、今できている動きをたくさん応援してあげてくださいね。


