外に出かけるとすぐ抱っこ。歩けるのに、ちょっとで歩くのをやめてしまう。そんな様子に、困ったり不安になったりすることはありませんか?
実はこの抱っこ要求、わがままでも甘えでもなく、体の使い方や感覚の特性が関係していることがあります。
ママであり、作業療法士でもある私が、抱っこが多い理由と、家でできる関わり方をわかりやすく解説します。
歩けるけど抱っこを求めることはよくある
抱っこを求めること自体は、自然なことです。
特に小さいうちは、安心したい・疲れた・不安といった理由で抱っこを求めます。それは健全なことで、無理にやめさせる必要はありません。
ただ、「頻度がとても多い」「少し歩くとすぐやめてしまう」という場合は、背景を少し見てみる価値があります。
歩けるのに抱っこが多い子に見られる主な理由
体幹の筋力が弱く、疲れやすい
姿勢を保つための体幹の筋力が弱いと、歩くだけで体への負担が大きくなります。
体幹の筋力が弱い場合、こういった様子が見られます。「歩くより抱っこが楽」という選択は、体にとって合理的な判断です。
バランスへの不安がある
内耳で感じる重力やバランスの感覚(前庭感覚)の処理が未熟だと、地面に立つこと・歩くことへの漠然とした不安感が強くなることがあります。
大人からすると「歩けるのに」と見えても、本人は足が地についている感覚がしっくりこず、体が安定する「抱っこ」を求めやすくなります。

ボディイメージが未熟
自分の体の動かし方・位置感覚がつかみにくいと、歩くこと自体が思ったより難しい動作になります。足の運びがぎこちない、動きに自信がなさそう、といった様子が見られることがあります。

慎重タイプの性格傾向
新しいことに慎重、安全を優先する、無理をしない。こうした性格傾向も、抱っこを求めやすい背景になることがあります。
転びにくいという良い面もありますが、行動が控えめになりやすい一面もあります。
我が家の娘の話

うちの娘も、歩けるのにすぐ抱っこになるタイプでした。
外では特に、少し歩くとすぐ「抱っこ」だった娘。本人が外遊びをせがむので連れて出たのに、全然歩かないのでやきもきしていました。
でも滑り台やブランコは大好きで、そこでは生き生き動いていました。
すぐに疲れるのは体力がないからではなく、体の使い方や感覚の取り方に特徴があるんだな、と気付いたのがこのころです。
好きな動きはできる。ただ外で長く歩くのが苦手なだけ。そう思えてから、関わり方が少し変わりました。
日常でできる関わり方
短い距離から「歩けた」を積み重ねる
最初からたくさん歩かせようとしなくて大丈夫です。「ちょっとだけ歩いてみようか」「あそこの角まで行ったら抱っこしようね」と、すぐ達成できる距離を設定してみましょう。
小さな「できた!」の積み重ねが、自信と体力の土台になります。
楽しい動きをたくさん経験させる
「運動は楽しい」という感覚を育てることが先決です。歩くことへの苦手意識がある子でも、好きな遊びを通じて体を動かす経験を積むことができます。
体幹を使う遊びを取り入れる
体の中心部(体幹)が安定してくると、歩くこと全体が楽になります。また、こういった遊びは、先に解説した感覚統合やボディイメージ作りにも役立ちます。遊びの中で、自然に取り入れていきましょう。
無理に歩かせすぎない
無理やり歩かせると、苦手意識がさらに強くなり、余計に抱っこを求めるようになることも。自転車や手押し棒付き三輪車で移動するなど、親の負担を軽減しつつ、できる範囲で楽しく遊べることを心がけましょう。
▶︎抱っこばかりへの関わり方はこちらの記事も参考にどうぞ

やってしまいがちなこと
気持ちは本当によくわかります。親だって疲れているし、「歩けるなら歩いてよ」って思いますよね。私もでした。
でも、体の特性はすぐには変わりません。それより「小さな成功体験」を積み重ねる方が、ずっと近道です。
OTママとして伝えたいこと
歩けるようになった子どもが抱っこを求めるのは、甘やかしの結果でも、育て方の問題でもありません。
その子の体の使い方・感覚の特性・疲れやすさが、抱っこという行動に出ているだけです。
大切なのは、無理にやめさせることより、楽しく体を動かす経験を「少しずつ」増やしていくこと。
それが積み重なって、体力・運動のしやすさ・自分への自信につながっていきます。焦らなくて大丈夫。一緒に少しずつ育てていきましょう。
まとめ
抱っこばかりの背景には心理面も影響します。


