絵本は言葉の発達に効果ある?語彙が増える理由をOTママが解説

遊び・おうち時間

「絵本の読み聞かせって、本当に言葉の発達にいいの?」
「まだ話さないけれど、読んでいて意味はあるのかな?」

子どもの言葉の発達が気になると、そんなふうに思うことがありますよね。私自身も子育ての中で、絵本時間にどんな意味があるのか気になったことがあります。

でも、作業療法士として子どもの発達を見てきた経験から感じるのは、絵本は単に言葉を教えるものではなく、言葉が育つ土台を作る大切な時間だということです。

この記事では、以下の3点について作業療法士かつママの視点でわかりやすく解説します。

  • 絵本が言葉の発達にどうつながるのか
  • 読み聞かせはいつから意味があるのか
  • 効果を高める関わり方

絵本の読み聞かせはいつから意味がある?

結論から言うと、絵本は赤ちゃんの頃から十分意味があります。

まだ内容を理解していなくても、赤ちゃんは大人の声を聞いたり、ページの色や形を見たり、親子で同じものを見る体験をしています。大切なのは、「言葉の意味を覚えること」だけではありません。

ママやパパの声を聞くこと、一緒に絵を見ること、指差しに反応してもらうことなどを通して、親子で同じ時間を共有する。こうしたやり取りそのものが、コミュニケーションの土台になります。

また、小さい子が同じ絵本を何度も読んでほしがるのも自然なことです。繰り返し聞くことで、音のパターンや言葉の流れを覚えやすくなります。

絵本が言葉を育てる3つの理由

日常会話より多くの言葉に出会える

普段の生活の中では、使う言葉がある程度決まっています。でも絵本には、「ぴょーん」「ごろん」「きらきら」「ふわふわ」など、日常会話では意識しない表現がたくさん出てきます。

こうした豊かな言葉にたくさん触れることで、語彙のインプットが増えていきます。子どもが話せるようになる前には、まず「聞いてためる時期」が必要です。絵本は、その言葉の貯金を増やしてくれる存在です。

体験と言葉がつながる

言葉は、実際の経験と結びつくことで理解しやすくなります。

子どもは、大人のように言葉だけで理解しているわけではありません。まずは「見る・触る・聞く」といった感覚や体験をもとに世界を理解し、そのあとに言葉と結びつけていきます。

そこで大切になるのが絵本の存在です。絵本には、日常で経験したものと同じ対象(りんご・犬・車など)がたくさん登場します。そのため、現実の体験と絵本の内容がつながりやすく、言葉の意味理解を深めるきっかけになります。

つまり読み聞かせは、語彙を増やすだけでなく、子どもが体験したことと言葉を結びつける橋渡しとして、言葉の発達を支える大切な関わりなのです。

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親子のやり取りが増える

言葉の発達でとても大切なのが、「やり取りしたい気持ち」です。

絵本を読んでいると、「わんわんいたね」「バナナ好きだね」「次はどうなるかな?」と自然に会話が生まれます。また、子どもが指差ししたものに大人が反応する経験も大切です。

これは発達の世界で「共同注意」と呼ばれます。同じものに注目して気持ちを共有する力で、コミュニケーションの土台になります。絵本は、この共同注意を育てやすい遊びのひとつです。

作業療法の現場から

実際に、重症心身障害児の臨床でも、絵本を使う場面は多くあります。関わる中で感じるのは、絵本を好む子どもがとても多いということです。

言葉でのやり取りが難しい子どもでも、絵本を開くと視線が向いたり、好きなページで反応が見られたりと、関わりのきっかけになることがあります。これは、絵本が「言葉だけ」ではなく、絵・色・リズム・繰り返しといった感覚的な要素を含んでいるためです。

そのため、言葉の理解がこれから育つ段階の子どもにとっても受け取りやすく、体験と言葉を結びつける入り口になりやすいと考えられます。絵本は発達段階に関わらず、子どもにとって関わりやすいツールであり、言葉の発達を支える土台づくりにもつながります。

読み聞かせの効果を高める関わり方

子どものペースに合わせる

最後まできっちり読むことより、子どもが興味を持ったところを一緒に楽しむ方が大切です。途中でページを戻っても、飛ばしても大丈夫です。「ちゃんと読まなきゃ」というプレッシャーを手放してみてください。

指差しや反応に応える

子どもが「あ!」と指差したら、「ほんとだ、ねこさんいたね」と返してあげるだけでも十分です。こちらから教え込まなくても、子どもの反応に寄り添うだけで、やり取りはちゃんと育っています。

無理に覚えさせようとしない

クイズのように「これは何?」と聞きすぎると、楽しさが減ることもあります。まずは一緒に楽しむ時間として関わるのがおすすめです。

言葉がゆっくりでも焦らなくて大丈夫

たくさん絵本を読んでいても、すぐに言葉として出てこないことがあります。でも、子どもの発達では「理解できる言葉」が先に増えて、そのあと「話す言葉」につながります。見た目には変化がなくても、頭の中でしっかり言葉をためている時期かもしれません。

発語の数だけで判断せず、指差しがあるか、伝えようとする様子があるか、理解して動けるかなど、コミュニケーション全体の育ちを見ることが大切です。

OTママとして感じること

絵本は、言葉を教え込む教材ではありません。

親子で同じページを見て、同じものに笑って、気持ちを共有する時間です。その中で、「伝わった」「わかってもらえた」という経験が少しずつ積み重なります。

我が家の娘も、夜寝る前に必ず1冊は絵本を持ってくるので、入眠儀式として一緒に読んでいます。本文を全部読めることの方が珍しいくらい、絵本の絵を指差しては何か語り始める娘です。

図書館の読み聞かせ会や保育園でも絵本を読んでもらう機会はありますが、親子で楽しむ醍醐味はその子だけの興味に合わせて、その子だけのペースで楽しめることだと思っています。

私は、この親子で楽しんで安心できるやり取りこそが、言葉の発達の土台になると感じています。毎日完璧に読まなくても大丈夫。短い時間でも、好きなページだけでも充分です。

親子で楽しむ絵本時間が、子どもの言葉の世界をゆっくり広げてくれるかもしれませんね。


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この記事を書いた人
作業療法士ママ 雀

作業療法士として発達支援に携わりながら、2歳娘の子育てに奮闘中。

このブログ「はぐリズム」では、子どもの発達や遊びについて、専門知識と子育て経験の両方の視点から発信しています。

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