「スプーンっていつから練習すればいいの?」
育児をしていると、一度は気になるテーマですよね。周りの子が上手に食べている姿を見ると、「まだ手づかみばかりだけど、そろそろ練習させた方がいいのかな?」と焦ってしまうこともあるかもしれません。
でも実は、スプーンは〇歳になったら急にできるというものではありません。大切なのは年齢よりも、子どもの発達の準備と「やってみたい気持ち」です。
この記事では、作業療法士でもあるママ視点から、スプーン練習の目安・進め方・よくある落とし穴をわかりやすく解説します。
スプーン練習を始める時期はそれぞれ
一般的なスプーン操作の発達の目安
| 時期 | よく見られる様子 |
| 1歳前後 | スプーンに興味を持ち始める |
| 1歳半頃 | 自分で使おうとする |
| 2歳頃 | ある程度自分で食べられる |
ただし、これはあくまで目安です。
実際には、かなり早く興味を持つ子、手づかみを長く楽しむ子、スプーンより先にフォークを好む子、全然興味を持たない子など、本当にさまざまです。この時期だからこれをするという正解はありません。
大切なのは、「〇歳だから始めなきゃ」ではなく、本人が「やってみたい」と思えているかどうかです。
なぜスプーンは個人差が大きいの?
実は、スプーンを使うという動きは、大人が思っている以上に複雑です。
このような、たくさんの力が必要になります。
さらに、自分の手がどこにあるか、口までどのくらいの距離か、どの角度で運べばいいかなども、無意識に調整しています。
大人にとっては当たり前の動きですが、子どもにとってはかなり高度な作業です。そのため、発達の準備が整うタイミングにも個人差が出やすいのです。
スプーン練習を始めるサイン
次のような様子が見られたら、スタートのタイミングです。
1つでも当てはまれば、試してみる価値あり。全部揃うのを待つ必要はありません。「ちょっと興味ありそうだな」くらいでも十分です。
スプーン練習の進め方【3ステップ】
「練習」と聞くと、ちゃんと食べられるようにしなきゃと思ってしまいがちですが、最初から上手に使える子はほとんどいません。
少しずつ段階を踏みながら、「できること」を増やしていけば大丈夫です。
STEP 1|まずは持つ・触るだけ
最初は、持つ、テーブルをトントンする、混ぜる、お皿に入れるだけでもOK。
まずは、「スプーンって楽しい」「触ってみたい」という気持ちを育てることが大切です。スプーンという道具に慣れることが最初のゴールです。
目標:スプーンを嫌がらずに触れる

STEP 2|すくう動きを経験する
少し慣れてきたら、「すくう」動きへ。
最初は、ヨーグルトや少しとろみのあるもの、まとまりやすい食材など、成功しやすい食形態がおすすめです。
この時期は、うまく食べることより、「自分でやってみる経験」を大切にしましょう。
目標:食材をすくう動きができる
▶︎スプーンですくえない理由と関わり方について詳しくはこちら

STEP 3|口まで運ぶ
すくえるようになっても、次は「口まで運ぶ」という難しさがあります。
途中でひっくり返ったり、口の前で落ちたりするのも、この時期にはよくあること。出来なくて当たり前なので、焦らず気長に対応してください。
目標:自分で口まで運んで食べられる

うまくいかない時は「練習不足」ではないかも
スプーンがうまく使えない時、「もっと練習させた方がいいのかな?」と思ってしまうこともありますよね。
でも実際には、練習不足というより、まだ身体の準備が整っていない、今の道具や食形態が難しいといったことも多いです。
また、姿勢が不安定でないかもチェックするポイントです。
このようなことが増えると、食事そのものがストレスになってしまうこともあります。大切なのは、「正しく食べさせること」より、楽しく食べる経験です。
発達の順番は個人差がある
スプーンを持たせるより前に「まずは手づかみ食べが大事」とよく言われますよね。もちろん、手づかみ食べはとても大切な発達段階のひとつです。
でも実は、全員が同じ順番で進むわけではありません。
我が家の娘は、いわゆる手づかみ食べ全盛期といわれる時期に、食べ物を触ることを嫌がるタイプでした。その代わり、大人の真似をすることが大好きで、8ヶ月頃からスプーンに興味津々。
「まだ早いかな?」と思いつつ、本人が持ちたがるタイミングで少しずつ触らせていたところ、1歳4ヶ月頃には、手づかみとスプーンを組み合わせながら、かなり自分で食べられるようになっていました。
この経験から感じたのは、発達の順番には個人差があるということです。
その子によって、得意なルートは違うんですね。
一番大事なのは「やってみたい気持ち」
スプーン練習を始めるときに一番大切なのは、いつから始めるかではなく、「やってみたい気持ち」があるかどうかです。
発達はやらせるものではなく、子どもが自分でやってみたいと思ったときに最も伸びます。
できないから練習させるのではなく、食事の場を楽しくすることで、子どもの「やってみたい」を引き出すことが大切です。
実は「遊び」が一番の近道
スプーン操作は、様々な能力が必要になる複雑な動作です。これは、食事の中だけで育つわけではありません。
遊びの中で、このような経験をたくさん積むことで、少しずつ土台が育っていきます。
そのため、スプーン練習を頑張るというより、まずは遊びを充実させることが、結果的に近道になることも多いです。
月齢に合った遊びを取り入れたい場合は、モンテッソーリ教具のレンタルサービスを活用するのも一つの方法です。
まとめ
- スプーン練習に「〇歳から」という正解はない
- 最初は「持つだけ」でもOK
- 発達には順番の個人差がある
- 大切なのは「やってみたい気持ち」
- 練習より、楽しい経験や遊びが土台になる
スプーンは、「練習して覚えるもの」というより、身体や感覚の発達が積み重なる中で、少しずつできるようになっていくものです。
焦らなくて大丈夫。その子のペースで、「やってみたい」を応援していけるといいですね。


