掃除の真似をしたり、電話ごっこをしたり。そんな姿を見ると、成長を感じてうれしくなりますよね。
一方で、「真似をあまりしないけど大丈夫?」「まねっこ遊びって発達にどんな意味があるの?」と気になる方もいるかもしれません。
実は、まねっこ遊び(模倣遊び)は、言葉やコミュニケーション、遊びの発達につながるとても大切な力です。作業療法士として子どもの発達に関わる中でも、「模倣」はよく確認するポイントのひとつです。
今回は、まねっこ遊びがなぜ大切なのか、1歳・2歳ではどんな姿が見られるのか、家庭で楽しめる遊びも含めて解説します。
まねっこ遊び(模倣遊び)とは?
模倣遊びとは、見たことや聞いたことを真似する遊びのことです。バイバイやパチパチを真似したり、「わんわん」という声を真似したり、電話をかける真似やお料理ごっこをしたり。日常のなかにたくさんあります。
大人から見ると何気ない行動に見えるかもしれません。でも子どもにとっては、「相手を見る」「覚える」「自分で再現する」という、とても高度な発達の積み重ねなのです。
模倣が育つために大切なこと
模倣は「教え込む」ことで育つものではありません。 まずは、子どもが大人を見て、一緒に遊び、同じものを楽しむという経験の積み重ねが大切です。
こうした経験の積み重ねが、模倣の土台になります。
また、模倣には自分の体を思ったように動かす力も必要です。バンザイやパチパチを真似するときも、見た動きを自分の体で再現する必要があります。そのため、ハイハイや外遊びなどで体をたくさん動かす経験も大切です。
子どもが真似をしなくても焦らず、まずは親子でやりとりを楽しんでみてください。
なぜまねっこ遊びは大切なの?
人に注目する力が育つ
模倣するためには、まず相手を見なければなりません。バイバイを真似する場合も、「ママが手を振っている」と気づき、その動きを見て覚える必要があります。
つまり模倣は、「人を見る」「人に興味を持つ」というコミュニケーションの土台と深く関係しています。
言葉の発達につながる
言葉も実は模倣から始まります。赤ちゃんはまず大人の声を聞き、「あー」「まんま」「わんわん」などを真似しながら少しずつ言葉を覚えていきます。
言葉は突然出てくるように見えますが、その前にはたくさんの「聞く」「真似する」の積み重ねがあります。そのため発達相談でも、言葉の数だけでなく、「模倣があるか」「大人の真似をしようとするか」をよく確認します。
遊びの幅が広がる
子どもは遊び方も真似しながら学びます。積み木を積む、ボールを転がす、おままごとをする。こうした遊びも、最初は大人やきょうだいの真似から始まることが多いです。模倣が増えることで、新しい遊びを覚えたり、遊びの幅が広がったりします。
1歳・2歳ではどんな模倣が見られる?
模倣にも発達の流れがあります。もちろん個人差はありますが、一般的には次のような姿が見られます。
1歳頃
身振りや音の真似など、簡単な模倣が見られます。身振りの模倣は、言葉より少し早く育つことが多いです。
1歳半頃
生活の中の行動を真似するようになります。大人をよく観察していることがわかります。
2歳頃
ごっこ遊びが増えてきます。想像力や言葉の発達とも深く関係しています。
「模倣=発達の土台」と言われる理由
作業療法士として子どもを見ていると、言葉が増える前に模倣が増えるという場面をよく目にします。
模倣は単に「真似する力」ではありません。子どもの発達の中では、次のような流れで育っていくことが多いです。
人に興味を持つ
↓
真似する
↓
やりとりを楽しむ
↓
言葉が増える
↓
ごっこ遊びにつながる
もちろん全ての子が同じではありません。でも、模倣はコミュニケーションや言葉、遊びの発達を支える土台となる力のひとつです。「まだ話さない」というときも、模倣ややりとりが育っているかを一緒に見ていくことが大切です。

我が家で印象に残っている「まねっこ」の始まり
娘は赤ちゃんの頃から「いないいないばあ」が大好きでした。最初は私が顔を隠して見せるだけでしたが、しばらくすると自分でも手で顔を隠して「ばあ!」をするようになりました。
当時は「かわいいな」と思って見ていましたが、これは模倣の始まりだったのだと思います。
模倣は単に動きをコピーすることではありません。「相手に興味を持つ」「同じことをやってみたいと思う」「やりとりを楽しむ」という力が育っているからこそ見られる姿です。
今日からできる!まねっこ遊び
特別なおもちゃや教材は必要ありません。子どもが大好きな遊びや日常生活の中に、模倣のチャンスはたくさんあります。「真似してね」と教え込むよりも、まずは親子で一緒に楽しむことが大切です。
動きまね遊び
最初に見られやすいのが、体の動きを真似する遊びです。
「ママみたいにできるかな?」と声をかけながら遊ぶと、自然と相手の動きを見る機会が増えます。
特に動物まねっこはおすすめです。まずは鳴き声のまねから。そして、うさぎになってぴょんぴょん跳ねたり、鳥になって腕をパタパタ動かしたりと、全身を使って楽しめます。
真似できなくても大丈夫。まずは大人が楽しそうにやってみせることが大切です。
物を使ったまね遊び
少し成長すると、物の使い方を真似する遊びが増えてきます。
子どもは普段から大人の様子をよく見ています。電話のおもちゃがなくても、積み木を耳に当てて「もしもし」とすることもあります。
これは単に動きを真似しているだけでなく、「電話は耳に当てて使うもの」という理解が育っている証拠でもあります。
生活のまね遊び
模倣がさらに発達してくると、生活の中で見た場面を再現するようになります。
「そんなところまで見ていたの!?」と驚くことも少なくありません。こうした遊びは、大人の行動を観察し・記憶し・再現する力が育っている証拠です。
また、「まぜる」「きる」「あらう」などの言葉に触れる機会も増えるため、言葉の発達にもつながっていきます。日常生活そのものが、子どもにとっては学びと遊びの宝庫なのです。
模倣が少ないときはどう考える?
発達支援の場面では、あまり真似しないという相談を受けることがあります。
まず知っておいてほしいのは、模倣にも個人差があるということ。慎重な子もいますし、その日の気分によっても反応は変わります。一回やってみて真似しなかったというだけで、心配する必要はありません。
親が子どもの真似をしてみるのもおすすめ
模倣が少ないと感じると、「どうやって真似を教えたらいいのかな?」と思うことがあるかもしれません。
そんなときは、親が子どもの真似をしてみるのもひとつの方法です。例えば、机をトントンする、おもちゃを並べる、声を出すなど、子どもがしていることをそのまま真似してみます。
すると、「ママも同じことしてる!」と気づき、やりとりが生まれることがあります。
子どもが真似をする前に、まずは「人と同じことをするのって楽しい」と感じられることも大切です。
相談を検討する目安
ただし、以下のようなことが重なる場合は、相談してみるのもよいでしょう。
大切なのは模倣だけを見ることではなく、発達全体を見ていくことです。
OTママとして伝えたいこと
子どもの発達は、「できる・できない」だけでは測れません。模倣遊びも同じです。
バイバイを真似してくれた。同じ動きをして笑ってくれた。そんな小さなやりとりの積み重ねが、コミュニケーションや言葉の発達につながっていきます。
ぜひ日常の中で、親子のまねっこ時間を楽しんでみてください。
歌や手遊びが好きなお子さんなら、歌に合わせた模倣遊びもおすすめです。
▶︎ 歌は言葉の発達に効果ある?親子で楽しみながら言葉を育てるコツ

絵本の中の動物や登場人物を真似して遊ぶのも、模倣遊びのひとつです。
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